美肌の鍵は保水力

前々回の記事で、スキンケアの話を書いたのですが、その中で肌の自己再生力を目標にスキンケアをしてきた、と書きました。

この記事にも質問いただいたのと、ここのところ、いろんなところで肌のことについて聞かれたりするので、そのあたりをもう少し掘り下げて書きたいと思います。

特に、この保湿に関して誤解が多いのかな?と感じることはとても多いです。


肌をきれいに保つ、ということは、いかに肌を正常な状態にしていくかということに尽きると思います。

その中で、保湿という行為が必要になるのですが、この保湿といえば水分をたっぷり肌に含ませること、ということで語られることが多いと思います。

機能性の高い化粧水、美容液がどんどん増えてきて、肌の奥まで届く、という広告が多いのもこの誤解を生む要因なのでしょう。



人体は絶えず原料(たんぱく質、脂質)を食事から調達して体内で新たな細胞を作って古いものと置き換えていくという代謝活動で成り立っています。

基本的にこのサイクルがきちんとしていれば、肌の老化はとても緩やかなものになります。

このサイクルを正常にしてあげることこそ、スキンケアの一番重要なことは間違いないと思います。


そのためには、原料のみならず、その細胞を作るためのエネルギーとしての糖質、サポートするためのビタミン、ミネラル、その活動を阻害する酸化という現象を防ぐポリフェノールなど、バランスよく食事をとること。

その食事の栄養を破壊するストレスをためないようにするための工夫。

皮膚を健康に維持するためのその支えとなる筋肉を維持するための適度な運動。


この辺りをきちんとしないと、スキンケアはあまり意味のないものになります。


しかし、加齢であったり体質によって、外部からの刺激などで自己再生が追い付かなくなることがあります。

そこで、保湿することが必要になります。


この保湿はあくまで、サポートとしての保湿です。

加齢とともに肌の細胞を作るのに時間がかかるようになりますから、外からの水分を取られてしまう速度についていけなくなります。

またコラーゲンやセラミドなど肌の天然の保湿材を作り出す力も減っていきます。

そこで肌の表皮に人体の中と同じような保湿膜を作って、なるべく時間稼ぎしようというのが保湿化粧品の本来の目的です。

もちろん、洗顔後に少しの水分補給をするという目的もありますが。

決して、コラーゲンが真皮の中に入って人体の細胞として定着するという話ではありません。

(肌の奥に浸透するという機能性化粧品に関してはややこしくなるのでまた機会があれば)


そうやって外部からの刺激から少し肌を守ってあげることで、肌の回復する余裕を与えることで、肌の新陳代謝サイクルをよくする。

こういうことで、肌がよみがえってきます。


新陳代謝が正常になれば、保水力はまた強まります。

しっかりと水分を含んだ肌はシミやくすみを自ら修復していきます。

そのためのサポートとしての保湿。

そう考えると、保湿の役割がわかりやすくなると思います。

体がコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などを生み出して、保水力の高い肌を作れるようにすることが大切なんですね。


あくまで、新陳代謝を正常にするというのは、生活習慣によるところがほとんどなので、まずは、生活習慣を見直す。

そのサポートとして、肌を保湿して外部からの刺激から守る。

それが美肌を保つ、基本なのは間違いないですね。


よく、セラミドがいいのか、ヒアルロン酸がいいのか、コラーゲンがいいのかと、保湿化粧品に関して聞かれますが、前述の理由から、決して肌の中に入って肌質を変えるものではないので、その人の肌との相性次第だと思います。

いずれにしても、肌が弱っていて、まず肌の再生力を高めるというサイクルの時はなるべくシンプルなのがいいのではないか?と思います。



あと、保湿力を維持するということでは、何よりも洗顔。

洗顔しすぎは肌の一番のダメージです。

古い角質を落とす、という洗顔料がたくさんありますが、古い角質はぬるま湯で十分落ちます。

その他の汚れは水で十分落ちますし、皮脂汚れを落とすという意味では植物油脂の乳化作用を利用する程度で十分なのかなと思います。

特にたんぱく質を溶かす成分が入ってるものは、新しい角質も破壊します。


洗顔を見直すと、肌質が一気によみがえる人もいますので、化粧水や乳液を見直しより大切なのかもしれないですね。

ここからも、肌を変えるのは外からの補充ではなく、肌自身の力ということが見て取れますね。

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