脳とストレス 悲観的なのは性格?

いうまでもないかもしれませんが、健康や美容と脳というのは非常に重要な関係がありますよね。


脳の行っている役割としては次のものがあります。


ホルモン分泌調整・・・女性ホルモン、ドーパミン、セロトニンなど様々なホルモン分泌の指示を出す。

自律神経の調整・・・代謝をコントロールし修復、再生をつかさどる。

心の調整・・・本能の行動や感情のコントロール

などなど。


脳に栄養がいきわたらなくなると、ホルモンや自律神経が乱れて、正常に新陳代謝を行わなくなり、絶えず疲労感を覚えたり、肌が汚くなったり、老化が早まったりします。

そのうえ、食べた栄養素が適切に使われないので、食べた以上に太る、またはやせる。食べた栄養素の効果が表れないという状態を作り出します。

いわゆるストレス太りとかですね。


さらに、たんぱく質欠乏はうつや痴呆をひきおこすことも研究で解明されてきています。

なんとなく悲しいことから抜け出せないのも、実は脳がしっかり働いてないだけだったりもします。


そういう意味からもバランスの取れた栄養をしっかりと取りとってまずは脳をしっかり働かせる状態を作ることが重要なことはわかります。

特に脳は脂質がほとんどを占めていますから、良質の脂質の供給も欠かせません。

しっかりと食べることで、初めてバランスのいい食事の効果が体や肌に現れたり、沈みがちな気分から回復しやすい心の状態になるということですね。


食べることは次回に譲るとして、まずはストレスのお話しを。


健康な脳もストレスを受けると、どんどん破壊されていきます。

ホルモンバランスを乱し、自律神経も乱していきます。


ストレスは大きな問題です。

人間が社会集団生活を行っている以上、ストレスがない生活なんてありえませんし、みんな何らかの悩みを持って生きています。


で、こういう話になると考え方や自分を変えるという話によく行きつく分野なのですが、考え方や自分を変えるといった方法論に縛られるのは、非常に危険かもしれない。と最近とみに思います。


脳のわからなかった機能がここ数年、すごい勢いで解明されつつあります。


以前は心の問題とされてきた精神障害もそうですが、それのみならず性格にかかわるようなことまで、脳の機能の問題であるということが分かってきていることです。


例えば、楽観主義、悲観主義的という人の性格の根本にかかわるのも単純に性格の問題だけではなく、脳のシステムが重要な要素なのだそうです。


その楽観、悲観を決めるための基本的な人間の認知として存在する、恐怖というものと快楽というものを感じる機能は別々に存在しています。


まず基本的には恐怖を感じる機能が優先システムとして働きます。これは生きていくうえで必要だからです。

怖いという感覚がないと、人間は危機から逃れることはできません。

脳内の恐怖を感じる場所と、理性をつかさどる場所も別べつに存在し、ブレーキとアクセルのように相互に連携しあって行動を決めるそうです。


その恐怖を感じる部分の感受性が人により大きく違っていて、さらにそれに経験則や理性の違いが加わって、導き出される感情や行動が大きく変わります。

これが、楽観性や悲観性の度合いを決めているそうです。


その次に大きな要素を占めるのは快楽を感じるシステムですがこれも、感受性が人により異なるので、経験則や理性の違いで大きく変わります。

さらに、物事への関心の度合いなども脳の機能の問題であるというデータも出てきています。

実際、恐怖を察知する脳の場所に損傷をうけたら、恐怖を感じなくなるそうです。


例えば沸騰しているやかんがあるとします。

経験則とか理性をつかさどるところは機能しているので、触ったらやけどすることは理解しているのだけど、脳のその部分に損傷がある人はそもそも恐怖心がないのでうっかりと手でつかんでしまうといった事態が起きるそうです。


確かにこれはなんとなくわかります。


私も少しおかしなところがあって、何度痛い目にあっても、同じことを繰り返す癖があります。

例えば野菜などを切るスライサー。これで玉ねぎをスライスすると、ほぼ手を削ります。

なかなか面白いくらいに毎回切るんですよ。

だから使わないようにしています。

でたまにどうしても使いたいので慎重に使うのですが・・・あれ??


私はそれを、ずっと学習能力がないのだと思っていました。

しかしこれは学習機能が働いてないというより、この理論から見れば、脳の恐怖を感じるシステムの一部が機能していないんでしょう。

記憶をたどれば、確かに子供のころから体の痛みに関する事柄は忘れていることが多いんです。


そう考えた時、悲観脳の持ち主に、悲観するなといっても無理な相談であることが分かります。

自分の性格や感性を他人と比べて、私はこうだから直さないとと悩んでいろいろすること自体がすごくストレスになるのだと思います。


変えれないところを変えようとして、変わらない自分を卑下してしまったり、落ち込んでしまうのが人間の最も大きなストレスの原因になっているのかもしれません。

そしてトラウマのように罪悪感を持ってしまったり。


そして、そのストレスに攻撃された脳はダメージをうけ、脳の機能の低下がまたストレスを生むというスパイラル的な悪い循環に陥ります。


だからなかなか抜け出せない。


ある程度の訓練で理性をつかさどる脳は変化するそうなので変わることは可能だと考えられています。

ある程度は努力するべきことではあります。


ただやみくもに自分の性格を変えるというより、基本的に私はそういう傾向がある。だからこれに気を付けようという考えのほうがうまくいくような気がします。

例えば、悲観的なら悲観的のまま、「あ、今悲観的に考えてるな」と気が付けばそれでよしとする考え方です。


こういうことはほぼ対人関係や社会生活で起きることです。

人間社会で生きている以上ある程度の協調性は必要不可欠です。ですから自分の性格のまま生きるというのはなかなかむずかしいことかもしれません。


とはいえ、ある程度は嫌なことは避けたり、自分のまま受け入れてもらえるよう努力する方が大事なことかもしれません。

逃げるが勝ちということもありますよね。

すごく勇気がいることですが、そのストレスのほうが低いような気がします。



自分の治したいと思っている性格は、実は「そういう脳の資質であると」認識すれば、少しは楽になるのかもしれませんね。

まあ、あまり脳の責任にして免罪符にするのもそれはそれで考え物ですが・・・。


とにかく、ストレスをためすぎないようにする。

これは健康や美容に一番重要なことのようですね。

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