人の祈りと音楽

先日、大阪の万博記念公園の中にある民族学博物館にいってきました。


ここの常設展に民族楽器を展示しているコーナーがあって、太鼓や弦楽器など、世界中の民族楽器が展示されていているんです。


本当に古い古代の太鼓から現代のギターまで様々な楽器が紹介されています。


様々な楽器の原典のようなものを見ていると、人の音楽に対する執念というか情熱をまざまざと感じさせてくれます。

そしてなぜか敬虔な気持ちにさせられます。



古来から原始宗教では「香りと音は天界に届く」とされています。

これは不思議とどの国の原始宗教も同じような感じで定義されています。

世界中の宗教儀式で花や香り、音楽が献上されるのはその為です。


特に太鼓のように何かを打ち鳴らすというのは、古代から存在していたのでしょう。

人間の心を揺さぶり、動かす、不思議な力が存在しています。


現代社会であれば、雨露をしのげる家はありますし、レールにさえ乗れば生活はある程度保証されますが、古代の人々は干ばつ、多雨などの少しの気象変化で食べ物にありつけなくなったり、疫病で多くの人が倒れたりと、ただ生きるということがとても大変だったことは間違いありません。


古来より人々は、この太鼓を打ち鳴らし、笛や吹き、弦をかき鳴らして神々に願いを届けようとしたのでしょう。


そして楽器の精度向上によって音階表現の幅が広がり、中世にはバッハに代表されるバロック音楽のような美しい音楽を生み出しています。


宗教儀式で使われるような古い太鼓のリズム、雅楽やこのバロック音楽などを聞いていると、現代音楽を聞いて感じるような楽しさ、慰めや思想の共感、一時的な興奮でなく、ふと時間が止まるような、いわゆる心の平穏というものを感じることがあります。

音の響きによる調和がもたらされからではないでしょうか。


そう考えると、いかに人は祈りだけでなく、この世界や生命の不思議を音を通じて知ろうとし、そしてその世界と一体化しようとしたのか、と思わざるを得ません。

少なくとも中世のころまではそれが「音楽」だったのでしょう。


人にとって音というのは本当に大切なものだと思います。

大袈裟ですが、いわゆる好きな音楽を聴いて癒される、といったこと以上に、食事から採る栄養素と同じようなレベルで影響があるのだと思うことも少なくありません。


「音」には本当に不思議な力があるのでしょう。

ゆっくりといい音楽を聴く時間、忘れないようにしたいですね。

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